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ここは、子どもたちが想像するような魔物が
住む世界のお話です。
魔界タウンに住むあいびーは、つまらない毎日をすごしていました。
それは、ハロウィンの季節以外ではするコトがないからです。
魔界タウンの住人は、感情エネルギーで生活していてハロウィンの季節が一番エネルギーがたまり、いつもはのんびりと暮らしているのです。
『…何か楽しいコトはないかなあ。』
『うーん…。』
『地上の人間もいつもはするコトがないのかなあ…?』と考えているあいびーを見て王様がいいました。
『人間たちが何をしているのか行って確かめておいで』
『きっとなにかあるはずだよ』
ハロウィンの季節以外では地上に行くことはできないのですが王様の言いつけで、人間の『いつも』を確かめてくることになりました。
大きな門を通り、人間には見えない地下の階段をのぼって、地上に出たあいびーは魔界タウンにはない太陽のひかり、キラキラかがやく海、まっかな実をつけた木々を見てびっくりしました。
『な…なんでこんなにエネルギーを感じるんだろう。』
いろいろなエネルギーを感じはじめたあいびーは
もっともっと確かめてみたくなりました。
歩いていくと、そこで目にしたのはロックバンドのライブ会場でした。
ロックバンドが放つ圧倒的でパワフルなエネルギー、たくさんの熱狂的なファンの声援エネルギー。
あいびーはビリビリと、とても大きな人間の感情エネルギーを感じとりました。
『このエネルギーは魔界タウンと同じだ!!』
『これだ!魔界で音楽をみんなに聞いてもらおう!エネルギーがたまって、もっと楽しくなるはずだ!』
魔界に戻ると、友だちの『狼男のはうりん』『ぞんびのどろー』『吸血鬼のろりるり』にあいびーが地上で感じたたくさんのエネルギーを、火のようにきらめく気持ちを伝えました。
『みんなであの音楽やってみようよ!』
『さんせーい!!』
みんなは同じ気持ちでした。つまらない毎日、
いつもと同じはもうイヤだったのです。
練習を始めたあいびーたちに不思議なコトが起こり始めました。
さいしょは、どこからかヤカンが降ってきてゾンビのどろーの頭にあたりました。
地面がボコボコとわき上がり、たくさんの石がみんなに飛んできたことも
ありました。
ですが、大きな魔法の木や畑で目を光らせているかぼちゃたちが
楽しそうに揺れて踊っているコトもあります。
もしかすると、魔界タウンの音楽は成功すると周りの感情エネルギーがたまり、
失敗すると痛いイタズラをされるのかもしれません。
今のあいびーたちにはどんな不思議なコトが起こるのか、まだわからないので
魔界タウンの人々は心配していますが、がんばっている4人を応援しているのです。
たくさん練習して、あのとき感じた人間のパワフルなエネルギー、
ハロウィンの季節と同じくらいの感情エネルギーを作り出せれば
魔界はもっともっと楽しくなりそうですね。
さあ、練習のはじまりです。
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